#7 “子どもたち”を取り巻く社会問題〜知ることで変えられることがある〜

福祉のジョブズを目指す社長のつぶやき

皆さんこんにちは!
合同会社Sunflowerの代表社員を務めています、鴇田陽介です!

毎週恒例ブログの更新です!
僕が運営する合同会社Sunflowerは子どもたちの未来を創るための会社です。
日々、子どもを取り巻く社会問題の解決のために、さまざまな事業を運営しています。

そのため、僕にとって子どもに関連する社会問題は身近なものですが、多くの皆さんにとってはそうではないかもしれません。
なので、今日のブログでは子どもたちを取り巻く社会問題について少しでも多くの方に知ってもらいたく、代表的な社会課題について書いていきたいと思います。

1:子どもの貧困(Child Poverty)

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大きく分けて3つの社会課題について説明していこうと思いますが、一番最初に書いていくのは「子どもの貧困(Child Poverty)」についてです。
あまり子どもたちの社会課題に詳しくない方でも、近年のニュースなどでこのワードを聞いたことがあるのではないでしょうか?

①絶対的貧困と相対的貧困

この問題を語る前に「貧困」について解説しなければなりません。「貧困」には絶対的貧困と相対的貧困という2種類があります。

絶対的貧困
着るものがない、食べるものがない、住む場所がないといった、衣・食・住において充実感を欠き、人間として最低限の生活を営むことができない状態のこと。

相対的貧困
国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人々のこと。

同じ貧困といっても、上記のような違いがあります。
発展途上国や、日本で言うなら戦後直後のような時代には「絶対的貧困」が貧困問題の中心となります。
ですが、現在の日本において、「絶対的貧困」状態にある人はあまりいないでしょう。

つまり、現在の日本においての貧困課題は「相対的貧困」であると言えます。

②どれくらいの子どもたちが貧困状態にあるのか?

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ではどれくらいの子どもたちが、「相対的貧困」の状態にあるのでしょうか?

日本における相対的貧困のラインは2人世帯であれば世帯収入が約200万円以下、3人世帯であれば約250万円以下となっています。(国民年間所得の中央値の50%未満)
厚生労働省が行った「平成28年国民生活基礎調査」によると、日本の相対的貧困率は15.6%となり、7人に1人が貧困状態にあると言われています。

また、ひとり親家庭の場合、母子家庭では50%、父子家庭においては20%を超え、これはOECD加盟国の中でも最悪の水準です。

ここまでの内容をざっくり簡単にまとめると…

  • 日本では相対的貧困が多い。
  • 相対的貧困とは国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人々のこと。
  • 子どもたちの7人に1人が貧困状態。
  • OECD加盟国の中で最悪の水準。

今回のnoteでは、社会問題の解決策を僕が考えるわけではなく、多くの方に知ってもらうことを目的にしていますので、児童の貧困問題についての内容はここまでにします。
ぜひ、一人ひとりがどのような解決策があるかを考えるきっかけになってほしいと思います。

2:児童虐待(Child Abuse)

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児童虐待(Child Abuse)と聞くと、これも前述の児童の貧困問題と同じく、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
私の社会人のキャリアのスタートは、児童養護施設での保育士からでした。
現在の保育士の学校で、同様のジャンルの内容の講師をしています。
社会人1年目〜現在まで16年間虐待の専門家として働いてきました。

そのため、おそらく多くの世の中の方より、この内容に関してある程度詳しい内容を知っています。

①児童虐待ってなに?

そもそも児童虐待とはどのようなものを指すのでしょうか?
「児童虐待防止法」に規定されている言葉で確認してみましょう。

「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

「児童虐待の防止等に関する法律」(通称:児童虐待防止法)第2条

上記にある通り、保護者から児童(18歳未満)に対して行われる「虐待」行為のことを指します。
具体的な虐待行為として、下記のようなものを指します。

身体的虐待
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など

性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など

ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れていかない など

心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう面前DV (※DV:ドメスティック・バイオレス)、きょうだいに虐待行為を行う など

これらの4分類が日本における児童虐待の定義となります。

②日本での現状は?

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現在の日本における児童虐待の現状はどうなっているのでしょうか?

僕たち虐待の専門家が毎年注視している数値の一つに「児童虐待相談対応件数」というものがあります。
この数値がどのようなものかを簡単に説明すると「直近1年間のうちに、児童相談所に”虐待かもしれない”と連絡があった件数」です。
下の画像が直近での最新数値になります。

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https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000987725.pdf

統計調査を開始した平成2年から上がり続け、直近の数値で約20万件という数値になっています。

いかがでしょう?
今まで数値を知らなかった方からすると、驚くほど多い数値ではないでしょうか?
ここからもう少し怖い数値をお話していきます。

日本には現在、0-15歳までの児童が約1435万人います。(令5年5月現在)
この1435万人と虐待通告件数20万件を割り算してみます。
そうすると、約72人に1人が虐待を受けているかもしれないという数値が出てきます。

皆さんはこの数値をどう思うでしょうか?
日本全国の保育園の平均定員数は約100人。
僕が小学校のときの一学年の人数は約120人
どちらの数字でとっても、1人は虐待を受けた子がいた計算になります。

つまり、今の日本の現状は「自分の家の隣で虐待が発生していてもおかしくない」という現状です。

この数値は先進国の中でもトップクラスの数値です。

さて、皆さんはこの状況をどう考えるでしょうか?
前述したとおり、このブログでは「知ってもらう」「考えてもらう」ことを中心に考えて書いているので、何かの解決策の提案はしません。
ぜひ一人ひとりで考えてみていただきたいです。

3:まとめ

現在の代表的な児童を取り巻く社会課題2つについて解説してみました。
現代を生きる大人として、考えなければならない事が多くあるのではないでしょうか?

「知っている」ということが変えられる事が多くあります。
「無知は罪」であると僕は考えています。
今回のブログをご覧になられた皆様が、それぞれ何かしらのアクションを起こしていただけたら嬉しいです。

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